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nozaのなんとなく週末日記。
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04.夢の中

残されたジルファにマイラは声をかける。
「待つこともまた…試練なのよ」
その後、彼女は突然消え去った。動揺するジルファの頭の中に彼女の言葉が聞こえてきた。
「心配しないで、彼らは必ず戻ってくるわ」
残されたのはジルファとカルマギ、ベッドで眠るユキヒ、椅子に座りベッドにもたれかかって眠るディナとトルツ…。ここには4人の人間がいるが、ジルファは独りきりだった。

***

彼らが目を開けると、そこは見たことのない場所だった。
「これが…ユキヒの夢の中なのか?」
広くて四角い空間の中に沢山の小さな机と椅子が綺麗に並んでいた。部屋の片面にはびっしりと窓があり、その隣面には深緑の大きな板が張りつけてある。そこには見たことのない文字が白で書かれていた。
「おそらくユキヒの世界の学校ですね」
自分の世界の学校とそれほど変わらなかった為、すぐに解った。
「しかし…城か砦並みの建物だな」
窓から外を眺め、トルツがつぶやいた。
彼らは互いの姿をみて驚いた。
「なんだ、この格好は」
襟付きのシャツ、ネクタイ、更に襟のついた上着。ユキヒが初めて彼らの世界スウィンシーヴァに辿り着いた時、確かこのような形状の服を着ていた。その男物と言った感じだった。
「それに、なんでお前元の姿なんだ」
トルツにとって、もう一つ驚いた点は、ディナが元の姿(19歳の姿)だということだった。
「よくはわかりませんが、この世界…厳密に言えば夢の中では魔術の力が作用していないと考えられます」
ディナが普段10歳くらいの外見なのは、彼の体内で常に時魔術が作用しており、10歳ほど若い姿になってしまう、一種の呪いのようなものだった。
それが元の姿になっているということは、その魔術を打ち消す何らかの力が作用しているか、魔力そのものが存在しない可能性がある。
「これは、あくまでもユキヒの夢の中…けれどユキヒの世界を模したものだとしたら魔術が使えなくて当たり前かも知れません」
現状を考察したものの、二人はどう動いたものか悩む。

「お困りかしら?」
後ろから声が聞こえたので二人はふりむく。一応戦闘体制をとるが、魔術の使えない魔術師と素手の剣士である。
そこにいたのは先ほどまで現実世界で一緒にいた女性。そもそもこの問題の原因を作った人物だった。
「マイラ」
彼女もまた同じ服を着ていた。こちらはユキヒと同じ女性ものだが着方がユキヒとは大分違っていた。襟のボタンは二番目まで空いており、小柄な割に豊満な胸。その谷間が露になり二人は目のやり場に困る。また、ユキヒは黒の二ーソックスで清楚な感じだったが、彼女は白くてタボダボした靴下をはいていた。
「いくら何でもナビゲーターなしに、この世界を動き回るのは不可能よ」
勢いでここまで来てしまったが、確かに方法も何も一切聞かずに来てしまったことを今しがた後悔したところだった。トルツはいつもそんな行き当たりばったりの性格だが、ディナは普段もっと冷静なはずだった。落ち着いている様に装おっても、ユキヒのこととなると彼は冷静ではいられない。
「手伝っていただけるのですか?」
先ほど3人以上入るのはユキヒの負担になると言っていたが、マイラは最初から自分も手助けするつもりで自分以外に゛あと2人´ということだったらしい。
「それで、俺たちは何をすればいいんだ」
それすら自分たちが理解していないことに恥ずかしさを覚えた。そんな気持ちを察したのか。マイラは若いっていいわね~とつぶやく。こちらは真剣なのに彼女は楽しそうで腹が立つ。しかし、この世界では彼女だけが頼りだった。
「まずはユキヒを探しましょ」
こうして未知なる世界の探索が始まった。

未知の世界…。ユキヒがスウィンシーヴァに来た時もこんな気持ちだったのだろうか。


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